今は病気に苦しんでいるとはいえ、まがりなりにも家業をこなし、子供も何人か育て上げた女性が、無遠慮に学生をあごで使い、かたや事故の後遺症で幼い頃から通常の社会生活を営めなかった若い女性が、思いやりを見せつつ人とかかわれる現実って、不思議ですよね。この違いは、いったいどこから出てくるのでしょう。多くの人は社会とのかかわりによって自分を育てていきます。しかし、その道が早期に断たれても、限られた人とのかかわりの中から多くを学び、自らの過酷な運命からやさしさを学んで、立派に成長していく人がいるのもまた、事実なんですね。子供を育てた人だから、とか、仕事をしてきた人だから、とか、社会的な背景だけで人を判断するのは、やはり当たらないことが多いものです。やっぱり最後は、その人の「心根」。しかし、心根は外からなかなか見えないので、簡単に良し悪しを決めつけてはいけません。