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真剣な想いは、生徒にきっと伝わる

2011年07月03日

私は合格させられる確信もないのに、無謀にもそう彼女を励ましていました。ここであきらめてほしくない、その一心でした。その後、演習や宿題は、おそらくほかの3年生の二倍近くこなしていたと思います。そのかいあって、その後受験した私立高校には無事合格することができました。「先生、これで私“高校生”になれるんだね!」その言葉を聞いたとき、私はハッとしました。(そうか、私は「先生」だったんだ。彼女の人生の重要なイベントの一部に関わっていたんだ。それなのに無責任にも大きな賭けをしようとしていた…)しかし、彼女のA高校に入りたいという意志は強く、ついに第一志望のA高校の一般入試に合格することができたのです。苦手だったはずの数学は、九五点をとることができました。彼女は、念願のA高校に入ってからも塾に通い続けました。しかし、一学期の数学の中間試験でなんと三九点をとってしまったのです。(無理させてしまったのではこの子はもっとレベルを下げた高校に進学するべきだったのではないかしら)そう自分の心に問いかける私に、「すっごく悔しい。でもがんばるから見てて、先生。もうこんな思い、したくないから」と目に涙を浮かべて彼女は言いました。それから今日まで、彼女はクラスで上位三番以内の成績をキープしています。数学は偏差値が六八と、完全に得意科目になっています。高校2年の冬、彼女は私立大学の栄養系に進みたいと言いました。「栄養のことを勉強して調理師免許をとって、将来は自分の料理店を持ちたいの」そう話す口調は、自信に満ちていました。大学受験に向けて勉強を続けた彼女は、その後、約一一倍という高倍率の関門を突破し、第一志望の大学に合格しました。私はこの話を聞いたとき、彼女が高校入学後に数学の試験で三九点をとり悔しがった情景が目に浮かぶようで印象的でした。本気で悔しいからこそ、その人はまた立ち上がることができるのだとあらためて思いました。そして、目標に向かって、生徒とともに苦しみ、悩むということは、個別指導塾講師が心のなかで「これでいいのだろうか」とたえず葛藤してつかみとっていくものなのだと思います。その真剣な想いは、生徒にきっと伝わるのでしょう。

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